Memory in the 1990's
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1998年度作品

怪談・牡丹燈籠OTSUYU

制作:東北新社企画制作  制作協力:松竹京都映画
プロデューサー:新井  義巳(キングレコード) 林  哲次(東北新社)
監督:津島  勝・原作:三遊亭  圓朝「怪談牡丹燈籠」より・ 脚本:本調  有香
音楽:米良  美一・特技監督:小林  浩一(コダイ) 
宣伝プロデューサー:田中  勇(キングレコード)
撮影:江原  祥二・美術:原田  哲男・照明:土野  宏志
録音:田原  重網・ 編集:園  井弘一
調音:林  基継・助監督:林  稔充
制作主任:黒田  満重・ 装飾:中込  秀志
特殊メイク:原田  智生・操演:蟹甲船・現像:東映化学
デジタルフィルムエフェクト:岡垣  亨(フロンライン)・CG:オムニバスジャパン
出 演: 露・・夏生  ゆうな・新三郎・・大鶴  義丹
伴蔵・・うじき  つよし 鈴・・鈴木  淳奈・僧侶・・麿  赤児
修造・・小山  彰一・ たえ・・ひろ  みどり
OTSUYU1 7月11日に東映化学工業現像所デジタルテックから届いた合成加工分のデータは、SGIのrgbファイル形式でフォーマットはシネオンフォーマットです。
写真はデータ受け渡しの為の媒体(メディア)であるエキサバイト・データカートリッジテープです。
OTSUYU1 この日届いたカットはS#27A,29A,B,32B,S#43,65,で、容量はエキサバイト・データカートリッジテープの54M2本、約3ギガバイトになります。
写真のEXB-8505でハードディスクに転送するのですが、54M1本あたりイーサーネット経由で約4時間もかかってしまいます。
お露:夏木  ゆうな  新三郎:大鶴  義丹  お鈴:鈴木  淳奈
OTSUYU3 【OTSUYUでのキャブレーション】
デジタルエフェクト作業を始める前に必ずしなければならない調整が、キャブレーションです。デジタルビデオの場合ではIREスケールに準処したカラーバーファイルを用い、モニターのガンマ値を調整します。
パソコンのモニターは通常1.8のガンマ値ですが、RGBかYUVへ仮想変換する必要がある為、2.0に変更して使用するのが一般的です。これはビデオ信号での映像は寛容度(ラチチュード)が極端に狭いために明部(ハイと暗部(ロー)をカットする必要があるからです。
ここまで調整すれば同じ走査線(モニター)なので極僅な差に気をかけるだけで事足ります。後はD1(720×540)かNTSC(640×480)かの解像度レベルが左右されてきます。
かですが、小さいビデオ信号の解像度ではこれも大切な事なのです。ちなみにテレビCMでの基準は、前者が常識となっています。
OTSUYU3 ところが、フィルム媒体の場合(DTP)はそう簡単には行きません。最終出力がモニターではないのです。それは印刷なのか映写なのかという事ですが、ここでは当然、"映写"を前提に話を進める事にします。35mmで撮影されたネガフィルムは、現像されラッシュプリント(ポジ)に密着して焼き付けられ、その撮影結果を全てのスタッフが試写室で見ます。
ここで劇映画なら編集部がOKカットを選別し、合成部分を指示表に書出します。(オプチカルサイン)これは今までならば、現像所のオプチカル部に合成を編集部が発注していたのが常でした。
このオプチカル合成とは永年に渡って培われてきた技術、とりわけ職人芸に近い世界の次元のもので、部署の縦割りに沿った構造の中で発展して来たものでした。
ところが、このアナログ合成は層(レイヤー)を重ねる毎に複製しなければ成立しな宿命を持っており、どんな達人がやっても層が重なる合成では、オリジナルとの差異
は、誰の目にも明らかなものでした。
OTSUYU5 しかしながら映画100年を経過して、ここ数年の間にコダック社が世界に先駆けて開発した「シネオンデジタルフィルムシステム」は、映画フィルムの画像を高速、高解像度でデジタルデータに変換し、合成加工後、再び映画フィルムに記録するもので、アメリカでは1993年9月に発表され、現在までにハリウッドで500作品以上の劇映画の特殊効果製作や画像修復などに利用されています。
お露:夏木  ゆうな  
OTSUYU3 最近の作品では「トゥルーライズ」「スピード」「フォレストガンプ」「ジェラシックパーク」「インディペィンデンズディ」「マーズアタック」などの特殊効果製作やディズニー映画の復刻版「白雪姫」の画像修復に利用されました。では現像所の「試写室」で見たフィルムトーンをどの様にしてモニターで調整するのでしょうか。
新三郎:大鶴  義丹  
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今回の映画では、フィルム会社が推奨するLAD(Laboratory Aim Density)ではなく、実際に撮影する6点チャートというグレースケール版のスキャニングデータを使用しています。
これは1番から6番までの濃度を持つグレイスケールの中で、3番を基準(反射率18%のニュートラルグレイ)にして2番が倍の反射率、1番が4番の反射率、また5番が2分の1、6番が4分の1の反射率のもので成り立ちます。
ここで1番を255の白に合せると暗部(ロー)が立ち上がり、6番を0の黒に合せると明部(ハイ)の細部が立ち上がってきます。
すなわちフィルムとは、パソコン(MachintoshやWindows)の8ビットカラー(8×3色=24ビット)よりも階調があるという事です。一方、ビデオ映像では 8ビットカラーも必要ではない様に思われます。
OTSUYU3 本来、「シネオンデジタルフィルムシステム」はフィルムスキャニングから合成作業、最終出力であるフィルムレコーディングまでをシリコングラフィックス社のオニキスを主幹としたワークステーションで構成されている訳ですが、フロントラインではこの合成作業部分だけを、パソコン(Machintosh)の8ビットカラーのマシンで行っている訳です。
10ビットと8ビットの差は、フィルムのラチチュードのほとんど全てを包括するか、暗部(ロー)または明部(ハイ)の一部を削除するかという事です。
またスキャニング時のレゾリューションも4K,2K,1Kとあり、今回の作品では16mmで撮影されたものをブローアップして、35mmのマスターポジから1Kで取り込んでいます。
これはスキャニングする時点で決定されてしまう事なのですが、肝心な事はスキャニング結果(量子化と解像度)をどう使うのかという事が、フィルムでの様々な経験を以た上で、監督の意図する表現をより一層高めた表現へと決定出来る事に尽きると思います。
OTSUYU3 成功例として、ILMの「インディジョーンズ」のデジタル・マット・ペイントの多くが、MACとPoto Shopで作られたのは有名です。これらの作業はフィルムの特性を充分に知っているだけでなく、製作部、演出部、撮影部、特機部、照明部、操演部、編集部、現像部などといった映画業界特有の組織構造に組込まれてた人々の中で、いかに良い仕事が出来るかという事を前提とします。
これはハリウッドでも自由度こそは違いますが原則は同じです。
その意味でマルチメディアと言われている分野とは、歴史を引き継いでいるといった点で、同じデジタルワークスでも意味合いが全然違っている事なのかもしれません。
今回、実際の作業で、モニターの近くにスライドボックスを置き、該当するラッシュをルーペで確認する手作業が伴っています。
OTSUYU3 ここで視覚濃度(フィルム化した時の経験則)が重要な位置を締め、最終結果、すなわち、フィルムレコーディグの費用を考えると数々の作業内容は、ここ日本では重要な決断が迫られると言っても過言ではありません。
つまり、一連の作業でモニターはあくまで仮想なのです。その仮想(仮基準)を、フィルムに仕上げる為には新たなフィルム的経験が必要になるのは言うまでもありませし、コンピューターに計算させた最終結果はフィルムになり、最終評価はスクリーンの上でのみ判断されます。
本来、シネオンデジタルフィルムワークステーションは、映写中のプリントフィルムの特性を再現する様にキャリブレーションされた高解像度のグラフィックスディスプレイモニターを使
用しています。
OTSUYU3 ディスプレイモニターは、映画の映写スタンダードに合致した5400Kの色温度と最大1000:1のコントラストレンジを再現する様にコダックが調整・キヤリブレーション管理されている事を付け加えておきます。
今回作品の画像サイズは914X666ピクセル(1K)で作業しました。
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